初めての法人口座開設│SUNYSIDEの起業体験
- 2019.08.13
- COLUMN SUNYSIDEのつくり方
- SUNYSIDE, 法人口座, 起業
法人登記をして1週間後、無事に登記簿謄本(りれき事項全部証明書)を入手したら一番最初に行ったのが法人口座の開設でした。
メインバンクとしては手数料が安い楽天銀行で開設することを決めていたのですが、審査に落ちた場合のリスクヘッジと、将来的な展開を踏まえて地元の信用金庫にも口座開設をすることにしました。
金融機関の法人口座開設について
実は、会社のお金を管理するのは必ずしも法人口座である必要はありません。取引先への見え方や、お金の管理のしやすさ的に、望ましいのが法人口座であることは間違いありませんが、代表の個人口座で運営されている企業もあります。(実際に私の友人にもそういう企業はあります)
実際に多くの人が経験すると聞くのは、口座開設の審査落ちです。
設立1年目の企業は法人口座が開設しにくい
設立間もない企業は、社会的信用がほぼない為、口座開設の審査不利だと聞きます。それゆえ、口座開設したくともできずに、個人口座で運用し続ける企業もあります。
ただし、そういったベンチャー向けの法人口座開設を狙っている金融機関もありますので正しく理解して、開設申請することをおすすめします。
金融機関毎の審査レベル
難易度 【高 】
メガバンク(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行)
大手銀行 (りそな銀行 など)
難易度 【中】
ネット銀行(ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行 など)
地方銀行 (武蔵野銀行、群馬銀行 など)
※ただし、きらぼし銀行や横浜銀行などの大手は除く
信用金庫 (東京信用金庫、城南信用金庫、世田谷信用金庫 など)
信用組合 (第一勧業信用組合、東京厚生信用組合 など)
※地方銀行や信用金庫、信用組合が審査を通過しやすいのは「地元であること」が条件なので、他の場所で申請する場合はここに当てはまらないかもしれません。
難易度 【低】
ゆうちょ銀行
1年目でも法人口座の審査を通過するために
起業1年目であっても、口座開設時の審査を少しだけ有利に進められる方法があります。それは、会社の社会的信用をUPさせることです。
これは知人や起業相談所のアドバイス、ネットのハウツー記事を参考に、実際にSUNYSIDE設立時に僕が実践したことです。すべてが本当に影響するのかわかりませんが、実際に設立直後でも楽天銀行の審査に通過したので、無意味ではないと思います。
- 登記申請する会社の電話番号は03(固定電話番号)にする
- 資本金はできるだけ多くする ※SUNYSIDEは999万円
- 事務所を構える(バーチャルオフィスは除く)
- 会社のホームページを開設する
- 取引先とは契約書を締結する ※口座申請時に提出
- 取引実績を資料にまとめる ※口座申請時に提出
法人口座の開設理由#1 売上や給与の支払い
法人口座を開設する一般的な理由は”会社の入手金管理として”です。
売上があがったときに、取引先から入金してもらうための口座であり、発注先に対価を支払う際や従業員に給与を支払う際に利用する口座として利用可能です。
入出金の明細管理が煩雑になるので、個人口座を利用する場合でも多くの方は仕事用の口座とプライベートの口座を分けて利用します。
個人的には入出金に利用するメインバンクは、各種手数料が安い銀行がオススメです。
法人口座の開設理由#2 金融機関との関係値づくり
SUNYSIDE設立時に、会社経営者の先輩方に何度もアドバイスいただきました。
「会社を運営していく上で、銀行からの融資が必要になるときがくるので、絶対地元の地銀・信金と仲良くしておくべきだ。」
大手銀行と比べると、顧客数の少ない地元密着型の金融機関は、そもそもサポートが手厚いとのことでした。
また、融資の際にも事前に口座を開設して、会社のキャッシュフローや健康的な体質を見せておくことで、プラスに働くとのことでした。
SUNYSIDEの場合は、地元の信用金庫と信用組合に両方相談にいき、より丁寧な対応をしてくれた企業とお付き合いをすることにしました。
法人口座の開設手続きと申請結果
上記を踏まえて、実際にSUNYSIDEが口座開設を申し込んだのが、(1)楽天銀行 (2)第一勧業信用組合 (3)西武信用金庫 の3つでした。
それぞれの申請手順と審査結果をまとめます。
(1)楽天銀行
楽天銀行の申請手続き
審査に必要な書類は下記の通りです
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
- 法人代表の免許証のコピー
- 他社との業務委託契約書のコピー
- 業務実績のまとめ資料
上記以外にも1度電話でのヒアリングがありました。
電話番号の通電と事業内容に関する簡単な質問をされました。
◎楽天銀行は審査通過 ⇒ メインバンクに決定
楽天銀行の口座開設にかかった日数はたったの12日!!
7/30(火)口座開設のネット申請、口座開設書類の発送
8/2 (金)口座開設書類の到着連絡
8/7 (水)電話でのヒアリング、口座開設手続きの完了連絡
8/10(土)口座のログイン情報が郵便で届く
楽天銀行は振込手数料が業界TOPクラスで安く、メガバンクなどと違い口座利用料も発生しないためメインバンクとして利用することにしました。
(2)第一勧業信用組合
千駄ヶ谷の商店街にあり、地元に密着した金融機関だったため申請させていただくことにしました。
第一勧業信用組合の申請手続き
審査に必要な書類は下記の通りです
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
- 法人代表の免許証のコピー
訪問時に簡単な口座開設に関する説明をいただきました。その際に質問された内容は下記でした。
- 起業に至った経緯
- 主な事業内容
- これまでの実績(PCにデータがあったのでお見せしました)
- 口座の用途
◎第一勧業銀行も審査通過 ⇒ 融資金の管理口座に決定
審査通過にかかった日数は実質3日!!
7/31(水)往訪 ※アポ無し
8/7 (水)来訪 事務所確認
8/8 (金)審査通過のTEL
初回訪問時に、事務所の営業実態を確認しないと口座開設できないとの説明を受けて、事務所にお越しいただきました。来訪までに時間がかかってしまったのはこちらの都合でしたので(オフィスの契約が8/7だった)、実質審査通過にかかった日数は3日だけでした。
手続きの説明についても丁寧にしていただきましたし、起業の理由についても共感していただいたように感じました。
信頼できると
(3)西武信用金庫
こちらもオフィスの近くに支店があったため申請させていただきました。
西武信用金庫の申請手続き
審査に必要な書類は下記の通りです
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー
- 法人代表の免許証のコピー
こちらも訪問時に簡単な口座開設に関する説明をいただきました。その際に質問された内容は下記でした。
- 起業に至った経緯
- これまでの経歴
- 主な事業内容
- 口座の用途
▲西武信用金庫は審査不合格
残念ながら不合格という結果に。
7/31(水)往訪 ※アポ無し
8/13(火)来訪 事務所確認
8/15(木)審査不合格のTEL
せっかくなので、不合格の理由を伺ったところ2点あったようでした。
不合格の理由① シェアオフィスで營業実態が見えない
SUNYSIDEは設立直後で、従業員もいないため僕1人の会社です。
狭いオフィスにパソコン1台で作業していることが、信用に値しないということだったようです。
不合格の理由② 登記簿の事業目的とヒアリング内容の相違
SUNYSIDEはアグリテックの自社サービスを展開するためにつくった会社と説明したのですが、登記簿に記載した事業目的の①がシステム開発 ⑥が農業生産 となっており、本来の順序と異なるため、信用できなかった。ということのようでした。
正直、これは説明不足というか正しく事業内容を理解していただけなかったと感じました。農業生産ではなく、農業経営に関するシステム開発が事業目的のため、登記簿の内容自体に誤りはなかったのです。
すべてがうまくいったわけではありませんが、法人口座の開設についても、SUNYSIDDEは90点のスタートを切れたと思っています。
西武信用金庫さんにご指摘いただいたことについては、今後も様々な企業とお付き合いしていく中で”説明不足”は注意しないといけないと感じましたし、会社の信用を築いていかなければいけないなと痛感しました。
ここからのSUNYSIDEは、一歩一歩着実に、成長して信用を勝ち取っていきたいと思います。
SUNYSIDE Inc.
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